1938年、大戦前夜。
昨日より今日は暗く、今日より明日はなお昏い。
世界は繰り返し時を刻みながら、20世紀最大の悲劇へとその身を滑らせていく。
混沌とする国際情勢の裏で暗躍するは超常の力を操る悪漢、怪人、魔人たち。
そしてその力で世界のすべてを掌握せんとするナチス・ドイツの魔の手があった。
そう、多くの人がそれと自覚せぬままに時間は過去から未来へと流れていると考える。
あのアインシュタインはそれを科学の光で証明して見せた。
いずれ世界が破局を迎えるとしても、
人類が希望を抱いて進む限り、必ずや破局のあとには輝かしい未来が待っている。
この年、5月29日。南大西洋。
漁船とて近づかぬ海域に突如出現した双子の火山島。
そこに示し合わせたわけでもなく集った国家・勢力・秘密機関の船があった。
彼らの上に真昼の闇がその抱擁を投げかけるとき、
過去から未来までも巻き込んで、人知れず世界の命運を決める戦いが始まろうとしていた。
「ダブルクロス・ウィアードエイジ:射影仮説の罠」
―――――過去を変えたい、未来を知りたい。それは消し去ることのできない人の業。
PC1用シナリオロイス ステラ=マキナ P:庇護/N:不信感
推奨ワークス:大陸浪人、研究者、大学生、大学教授など
うららかな春の日に、君の元に現れた無機質な印象の少女、ステラ。彼女は君に懇願する。
「ワタシ、未来カラ来マシタ。コノママデハ、未来カラノ侵略ニヨッテ世界ハ滅ビマス」
そう、彼女は未来の技術で作られたアンドロイドであり、
世界を守るための鍵となるシステムそのものでもあったのだ。
誰もが彼女の言葉をエイプリルフールの冗談だと笑う中、
君一人だけが(科学的推論か、それとも野生の直観か)その言葉を信じることにした。
そしてほぼ2ヶ月、その日、そのとき。5月29日、南大西洋に双子島が浮かぶその場所へ。
この年、最も昏(くら)くて灼熱(あつ)い4分間がはじまる。
PC2用シナリオロイス 約束の地 P:憧憬/N:猜疑心
推奨ワークス:魔術師、ダークワン
日食の予測を行う計算技術は古代中国、隋の時代に確立されたという。
君のようなものにとってそう珍しい知識ではなかった。
だが、闇の世界に一つの噂が流れ、君は大西洋の南、南極に近い海域に赴く。
「その日その地に生まれる約束の地。それは双子の島、ティマイオスとクリティアス」
その名はプラトンが予言した理想国家への道程を示すものであり、
魔術と神秘を君ぐらいに深く理解する者にとっては見過ごせないセンテンスなのだ。
※ シナリオ開始時、PC2には「魔術船(仮名)」が与えられます。
これはPC2の乗り物として扱い、PC2の望むだけの人員、アイテムを積載できます。
PC3用シナリオロイス "オデッサ" P:連帯感/N:隔意
推奨ワークス:情報部員、超人兵士など
多くの人はまったく知らないことだが、この世界には多くの情報機関がある。
王道、キワモノ、メジャーにマイナー、目的も傾向も千差万別だ。
しかし、どの機関でもいま最優先で対処すべき危険度AAAのオカルト集団、
悪名高きナチスのアーネンエルベに注意を払わぬものはない。
そしていま"オデッサ"のコードネームで呼ばれるものが世界の裏で暗躍しているという。
噂ではナチスが来るべき日のために準備する何かに関わっているのだという。
その謎を追う君の前に現れたもの、それは・・・
PC4用シナリオロイス アンティキティラの機械 P:執着/N:不快感
推奨ワークス:犯罪王、その他
20世紀初頭、ギリシャはアンティキティラ島近海で発見された謎の機械があった。
単に「アンティキティラの機械」とだけ呼びならわされるそれの使用用途は
(1938年の時点では)解明されていなかった、とされている。
だが、希少遺物に造詣の深い君にとってはそうではない。
古代の教養エリートが用いた天文の運行、特に日食の日時を計算するために、
このような精密なる機械が製作されたのは自明のことであった。
そして君は、これがいわゆる量産型と呼ばれる種類のものであり、
これらの機械の元となるさらに高度な機械装置の存在を予見しているのだ。
多くの競争相手を出し抜き、その真実に迫ること、
それこそ君にふさわしい挑戦なのである。