デラックスストロベリーパフェ、サッカリンとシロップ大盛り

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  場所は病院、その一室…

柊 祐真 : …こんこん、病室の扉をノックして入る…
桜庭 遥 : 扉を開けて入ってきた柊を迎える、眼鏡をかけた知的な女性…遥の母親だ
柊 祐真 : 「…こんにちわ」
桜庭 遥 : 早苗「こんにちは。毎日来てくれるのね、柊さん(にこっ)」
柊 祐真 : 「ええ…」 血が滲む位強く拳を握って、眠っている遥さんを見つめる
桜庭 遥 : 早苗「ごめんなさい。私のせいであの子が…」 そっと眼を伏せる。向かう視線の先には自分の娘の姿が
柊 祐真 : 「貴女のせいじゃないから…ただ…ただ…俺が俺自信を許せないだけで…」 更に強く拳を握る

  ここで、『あの日』最後に遥と話をした時のことが思い出される。

桜庭 遥 : 『これで、終わりましたね…柊さん…』
柊 祐真 : 『ん…遥さん…お疲れ様…』
桜庭 遥 : 『約束、護ってくれましたね…柊さん、ありがとうございます…(にこっ)』
柊 祐真 : 『約束…だから…。それに…それだけが理由じゃない…し…(しどろもどろ、上手に言葉が出てこない)』
桜庭 遥 : 『…そんなところ、好きです。…とても』 少し頬を染めながら俯く
柊 祐真 : 『…その…って…あぅ…』 遥の言葉を聞いてこちらも顔を赤らめる
桜庭 遥 : 『さて、と。あとは…私がしっかりしなくちゃ、いけませんね』 んっ…と、一つ伸びをする
柊 祐真 : 『って…しっかり…?』
桜庭 遥 : 『…私、これからちょっと…眠ります。これ以上、時空間に負担をかけたら、危ないそうですから…』
柊 祐真 : 『…え…ちょ…ま…眠る…? 時空間…? 何する気、遥さ…』

  柊の唇が、その言葉を紡ごうとして…塞がれる

柊 祐真 : 『――ッ!?』
桜庭 遥 : 爪先立ちになって、その姿勢のままそっと唇を触れる… 『…その、いきなりでごめんなさい』
柊 祐真 : 『…………(硬直)』
桜庭 遥 : 『…いつになるかわかりません。待っててくれなんて言えません…けど』 ポロリ、涙が零れる…
柊 祐真 : 『え…あ…遥…さん………?』
桜庭 遥 : 『(ポロポロッ)だけど…きっと、戻ってきます…絶対の絶対に。だから…』 笑顔は最後まで壊れない…
柊 祐真 : 『…遥…さ……』

  小指が…差し出される…

柊 祐真 : 『ん………。判った…よ…』 ゆっくりと、手を上げて…小指を差し出して…
桜庭 遥 : 『…約束、です』
柊 祐真 : 『……うん』 小指を絡める
桜庭 遥 : 『ゆーびきりげんまーん…』
柊 祐真 : 『…うーそついたらはりせんぼんのーます…』
桜庭 遥 : 『…ゆーびきった』
柊 祐真 : 『……』 …指を離すのが怖くて一瞬躊躇って…
柊 祐真 : 『…指切った』 けれど…やっぱり信じて指を離す

  そして、彼女は深い眠りに落ち、代わりに彼女の母親が目覚めた



6−3.待てない人

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