待てない人

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  …俺…やっぱり待てない…
  待つなんて性分に会わないし…止まってるのも嫌だ…
  けれど…やっぱり待つしかなくて…

桜庭 遥 : 早苗「…柊さん」 そっと肩に何かがかけられる。…カーデガンだ
柊 祐真 : 「ありがとうございます……」
桜庭 遥 : 早苗「そろそろ換気もしないとね」 ガラッと窓を開けて呟く 「…いい空ね」
柊 祐真 : 「…………あー…やっぱり嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!」
桜庭 遥 : 早苗「柊さん?(きょとん)」
柊 祐真 : 「………待ってるなんて、やっぱり…性に合わない…」
桜庭 遥 : 早苗「…あの子のこと、信じられない? あの子、頑固だから、約束は決して破らない子よ?」
柊 祐真 : 「信じてても…自分が何も出来ないなんて嫌だ…」
桜庭 遥 : 早苗「…遥も幸せ者ね…こんな良い子に想ってもらえて…」

柊 祐真 : 「…そういえば…あの裂け目はどこに通じていたんだろう。もし、あの先が遥さんの所まで繋がっているなら…」
小鳥遊 優 : 「…キミには開けんだろうさ、時の扉は(パーテションの裏から登場)」
柊 祐真 : 「ん…何だ先生、居たのか。…で、何でだよ。開けないって」
小鳥遊 優 : 「今のキミには使えんだろうさ、…腑抜けたそんなキミにはね」
柊 祐真 : 「腑抜け…だとっ!」 一瞬怒って…けど… 「…そうだろう…な(肩を落とす)」
小鳥遊 優 : 「…はぁ、否定しなよ。気迫だって重要なんだよ? 自分の可能性を信じろ、若者」
柊 祐真 : 「…可能性…そういえば、あの紳士も、そう言っていたな…」

柊 祐真 : 「…やっぱり、決めた。好きな人を寝たきりになんて…させてんのは癪だい…」
小鳥遊 優 : 「ふふ、決心がついたようだね。ならユウマ君、これを」 鏡を放り渡そう
柊 祐真 : 「あ…?」 受け取って 「何だっけ…これ…?」
小鳥遊 優 : 「それを使えば、もしかすればたどり着けるかも知れんよ。まぁ…若者へのプレゼントだ(微苦笑)」
柊 祐真 : 「…ありがとよ…」
桜庭 遥 : 早苗「やってみるといいわ。貴方の信じる貴方らしい行動を…(にこっ)」

  早苗のその笑顔は、どこか遥のそれと重なって見えた

柊 祐真 : 「あ…ああっ!(強くうなずく)」
小鳥遊 優 : 「一応キミも警察だったり高校生なんだから、ここでしなきゃいけない事もあるんだけどね?」
柊 祐真 : 「どうせ留年してるし、仕事もこれ以上ないくらい減給中だいっ!」
小鳥遊 優 : 「ははは。まぁ早く帰りなよ? …待ってるからね、みんな」
柊 祐真 : 「判っとらーな…じゃな…っ!」



6−4.そして新たな犯罪者

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