GM:シーンプレイヤー、リュウ! そしてレニーも登場



 UGNは裏切り者に容赦しない
 制裁の手は、ボルゴの恋人…『レニー』にも及ぶ事となった
 その実行役として『E0269』を指揮官とした部隊が派遣された。しかし…


 ――複数の影が交差し、折り重なるようにして一つの影へと絡まる――


レニー:「ターゲット補足…なに?見失った!!」

リュウ:UGN隊員「撃て撃てェェェェエ!!」「やめろ、同士討ちになる!!」「現在の戦況はどうなっている!!」

のぶ:UGN隊員「ひでぶぅ〜」

リュウ:UGN隊員「くっ、ダメだぁぁぁっぁぁあああっ! 俺たちだけでは適わない!!」


 ――しかし、次の瞬間には殺到した影は地面へと転がり、その場に撃ち捨てられる――


GM:レニー「はぁぁぁっ……ふぅっ!(両手を構える)…ま、まだっ!」

レニー:「…手強い…」 銃を構えなおす

リュウ:そう、その影は数多くの攻撃をかいくぐり、UGNに甚大な被害を与えながらも、その場を離れる事は、無い

GM:レニー「あんた達に…あんた達に、何が分かるって言うの!? 怒りが! 悲しみが! 分かるっての!?」

GM:ガッ! バキッ! グシャァッ! ……暗闇の中、大暴れする『レニー』


 ――そう、それはまるで一人の人物を待つかのように…――


レニー:「…くっ…フォーメーションを崩すな!」 銃で『レニー』を狙撃する!

GM:E0269の攻撃が、レニーの肩口をえぐる 「(チュン)ぐぅっ!?」 けれど次の一瞬、彼女は闇へと紛れ消える

レニー:「…追撃する、援護頼む!」

リュウ:レニーの号令に兵士達が殺到する。しかし……

リュウ:「ヒギャッ!」「ウグュッ!!」「うわぁぁぁぁぁっ!!」

GM:不用意に突進した数名が、あっけなく返り討ちに遭った

レニー:「…なに?」と状況を解析しようと…

リュウ:そしてE0269は気づく。己の周囲には、すでに自分だけしか居ない…

レニー:「っち!いつの間に…」 身を低くしながら遮蔽物を探す

GM:周囲の闇から迫るプレッシャー…

レニー:「…援軍を呼ぶか…ここで引くか…」

GM:レニー「…残るはアンタ1人だよ…」 全方位から響く声… 「あの人の仇…覚悟ッ!」

レニー:「なにッ?」



 ――レニーがE0269へと襲い掛かろうとした、その時だった――



リュウ:コツ……コツ……コツ……周囲の闇の奥から足音が響く

リュウ:「……そこまでだ、レニー」

GM:飛び出そうとしたレニーが凍りつく 「…あんたは…」

レニー:「…援軍?」

リュウ:「ずいぶんと派手にやったようだな。戦場の切り姫の二つ名は健在か」

リュウ:そこには、真新しい黒いコートを羽織り、右手に小さいペンダント状のものをぶら下げた俺が立っている

レニー:「…E0309? …なんであなたがここに?」 ちょっと不機嫌な声で

リュウ:「……E0269… キミがこの作戦の隊長だったか。しばらく休んでいるといい」

レニー:「…上からの指示?」

リュウ:「そうだ。それと、ちょっとした野暮用もあってな」

レニー:「……わかったわ」

リュウ:E0269と会話しつつ、右手に下げたボルゴのドッグタグをレニーに向かって差し出す

GM:レニー「…そ…れ…」

リュウ:「奴の“イヒン”だ。友として、これを君に渡すためにここに来た」

リュウ:「……よくは分からない感情だが、大事なことのように感じた。受け取ってくれるか、レニー?」

GM:レニー「遺品…ですって?」 一瞬、瞠目し 「…猟犬が、何を人間みたいな事…」

GM:言葉とは裏腹に、コツ、コツ、コツ… と誘われるように近づくレニー

リュウ:「確かに、俺は君を排除するためにここに来た。……そして、それをこれから実行するだろう」

リュウ:「だが、それとこれとは全く別の問題だ」

GM:ぴっ! と、奪うようにタグを取り… 「……そう、何を考えてるのか知らないけど………ありがと、一応礼は言うわ」

リュウ:……手から手へと、生の痕跡が渡される

リュウ:「奴は俺の大事な友だった。心がとても空虚で……まるでぽっかりと空いてしまった様だ。……この感情、なんだとおもう?」

GM:レニー「…それはね…『寂しい』って言う感情。大切な物、大切な人を無くした時に感じる痛み…」

レニー:「…感情?」とちょっと思う

リュウ:「これが、『寂しい』か。なるほどな……、何が奴を殺したんだ。何が、あんないい奴を殺してしまったんだ?」

リュウ:「奴は、なにを俺に託したんだ?」

リュウ:「……答えを、教えてくれないか、レニー?」

GM:レニー「…感情…かしら、ね」 と、少し自嘲気味に笑った後 「彼が託したのは『感情』。まだ痛いだけだろうけど…あなたは知るハズよ、それは喜びを、大きな喜びをもたらすものだっ…て」

レニー:「…感情? 大きな喜び? …そんな馬鹿な」 と聴きながら考えている 「…感情は…崩壊しか招かない…」

リュウ:「そうか……答えは、自分で探すしか無いようだな。」

GM:スッ…体を傾け、構えを取るレニー 「…よく出来ました。もう私の教えられる事は無いわ」

リュウ:「ボルゴや、君と過ごした日々は楽しかった。……だが、それも終わりのようだな。」 ツッ……と右目から涙を流しながら言う

リュウ:「この戦闘で、君は力を使いすぎた。ジャーム化は目前だろう」

リュウ:「だから……俺が決着をつけてやる。……それがボルゴへの手向けだ」

GM:ガッ! 地面を蹴り、瞬時に間合いを詰めて来るレニー。その手は拳を握り、瞳には涙を浮かべ…

リュウ:交差する影! 一瞬の間隙に世界が凍りついた後。

リュウ:ドサッ……一つの影が地面に倒れる

GM:レニー「かっ…は…」

リュウ:ポタッ……ポタッ……血塗られた剣から雫が流れ落ち、地面をぬらす

レニー:終わりのようで、銃を降ろす

リュウ:「レニー……済まない。俺は、最後の瞬間にボルゴを助ける事ができなかった」

GM:レニーは、微笑を浮かべ…事切れた

リュウ:「せめて、大切な人と共に時を過ごしたい……か。これまでは分からなかったが」

リュウ:レニーの手を取り、強くドッグタグを握らせる

レニー:近づいて、死体を確認する 「…終わったようだな、E0309」

リュウ:「ああ、任務は終了だ。後の始末は頼む」

レニー:「…不本意だが…助けられたようだ。礼を言う」

リュウ:首を振り、きびすを返すが、思いついたように振り返って言う

リュウ:「……その形見だけは、一緒に埋葬するように取り計らってくれないか? できれば、で構わないが」

レニー:「…意味はわからんが…そうしよう」

リュウ:それに、微笑んで言う。「……ありがとう」



  4−2.一応、DXなんです

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