GM:では次のシーン…お待たせしました! シーンプレイヤー:リュウ

リュウ:はい

GM:ケンも登場お願いします… 場面:出会い



 ケンは、内通者である『ボルゴ』との定期接触の為、市街近くの、地下廃墟へとやって来ていた…



リュウ:暗い地下道に足音が響き、徐々に近づいてくる

ケン:「(タバコをすいながら)…来たか、『ボルゴ』…」 と小声でつぶやく

リュウ:「……ボルゴは死んだ。なるほど、まさか本当に出会えるとは……な?」 現われたのは、UGNの制服に身を包んだ長身の男

ケン:「……(タバコを捨てる)……ほんとに、彼は…死んだのか」

リュウ:「ああ、俺の目の前でな。嘘を言う必要性すらも無い」

ケン:「(2本目をすいながら)……レニーは?」

リュウ:「ずいぶんと冷静だな。なるほど、噂になるだけの事はあるということか」

ケン:「レニーは……どうしたんだ…」 さっきよりも強めの声で。

リュウ:「反逆者の末路は知っているのだろう? ……そういうことだ」

ケン:「……そうか で? …君は誰なんだ?」

ケン:「いや、『何をしに』来たんだ?」

リュウ:「お前達の奪った品物を取り戻しに来た」

ケン:「ふむ。…では、君たちは俺たちから奪ったものを返してくれるかね?」

リュウ:「奪ったもの? 我々がお前達から何を奪ったと言うんだ?」

ケン:リュウの襟元をつかんで…

ケン:「仲間だっ!!」 と、怒鳴りつける。その表情は、今にも泣き出しそうで…

リュウ:「怒っているのか ……何がそんなに悲しい?」

ケン:「…………」

ケン:「……そうだな。何が悲しいか…?」 手を離し、一歩下がる

ケン:「……息子と同じ顔をした、貴様がそういう台詞をはくのが、一番悲しいかもしれないな」

リュウ:「……息子だと? それは何かの間違いだろう。俺は、クローンだ」

ケン:「そっくりさ、顔も、声も。…中身は違うがね」

リュウ:ジャリ……ケンが下がった分だけ近づく 「……なるほどな。それで、答えはくれるのか?」

ケン:「貴様たちは、俺たちから奪ったものを返せない。ならば俺らもどうするかはわかるだろう?」

ケン:「合理的な思考だよ、お前たちが得意な、ね」

リュウ:「なるほどな。……ならば、俺からも言わせて貰おう。ボルゴを目覚めさせたのはお前達か?」

ケン:「彼は 『夢』 から覚めたがっていた。 『起きる』 きっかけを与えたのは我々FHかもしれないがね」

リュウ:「なぜ、そのような事をした」

ケン:「本人がそう、望んだ。 『こんぴーたー』 は望まないだろうがね」

リュウ:チリチリと、空気が焦げ付くような圧迫感が周囲に放たれ始める

リュウ:「奴が望んだか……ならば、それは死へと向き合った覚悟だったのだろうな」

ケン:「人は生まれたときから『死』に向かい歩き出す。ならば、死と向き合うのが正しい人だろう?」

リュウ:ギンッと内蔵された刀を取り出し、無造作に構える

ケン:「俺を倒し、意思を持とうというのならばそれでいい。ならば、俺を超えて死と向き合うがいい」

リュウ:「だからと言って、奴は何故死ぬ必要があったんだ!! 感情など得なければ、他人に情を得ることがなければ奴はこれからも行き続けたはずだ!!」

ケン:「……お前は、彼に 『生きて』 いてほしかったのか?」

リュウ:「……っ。そのようなこと、考えた事も無い。この世界の秩序を護る事……それが俺の使命だ」

ケン:「…お前は 『夢』 から目覚めようとしている」

ケン:「『夢』 から覚めた後の世界は美しいぞ? 死すらも恐れぬくらいな」

リュウ:「そして、途方も無い被害をもたらす可能性も帯びてくる」

ケン:「……世界に『保障』なんてあるのかな?」

リュウ:「少なくとも、これまでは平和だった。そして、これからも続いてゆくだろう」

ケン:「そうか? じゃあ、何で今、お前の声は震えているんだ?」

ケン:「まるで、自分の言葉を信じたいがゆえに声に出しているようにしか聞こえないがね。」

リュウ:「……感情など、人を死に追いやるものでしかない。こんなものを手に入れなければ、ボルゴはレニーは死ぬ事はなかった」

ケン:「若き少年よ。『生きる』 と 『活きる』 は違うのだ」

ケン:「ボルゴは死んだのではない。『活きた』 のだ」

リュウ:「……っ。黙れ、貴様に奴の何が分かる!!」

ケン:「ボルゴの笑い顔を知っているっ!」

ケン:「楽しそうに笑った声を知っているっ!!」

ケン:「生きていただけでは見れぬものを、私は見てきたっ!!」

リュウ:「笑いだと……楽しいだと? くだらない!!」

ケン:「下らないか、否か、それは己の目で確かめるがいいっ!!」 そういって、右肩に攻撃を仕掛け、《ショート》を撃ち込む!!

リュウ:同時に反応し、その腕を切り落とそうとする……が、ボルゴに撃たれた傷がそれを阻んだ

ケン:「(ボルゴも、やつに味方するのか!?)」

ケン:ばちりっ、と軽い電流が体を流れる

リュウ:「ぐっ……うあぁぁぁああああああっ!!」

リュウ:ズガガガガッ!! とケンのわき腹に銃弾を撃ち込む

ケン:「ぐっ!!」 だが、痛みを耐えて、リュウの肩をつかむ!

ケン:「すまぬな」 と言って、吹き飛ばしてその場から去る…「また、会おう、少年よ」

リュウ:「くっ……必ず、必ず追い詰めるぞ!」



  4−9.不幸ボーイ・ミーツ・マシンガール  

  indexへ戻る