ヒマに任せて基地内を徘徊していた柊は… ベッドにベルトで拘束された少女と再会した



レニー:「…ん?」 とずっと、ぼうとしてた

祐真:「…………」 じっと少女の顔を見つめる……どこかで見た気がするなぁ……? と思いながら

GM:そう、彼女は遥と共にいた、UGNの少女…

祐真:「あ……」目が合う

レニー:「…あなたは…あの…」 と、初出会いを思い出す

祐真:「え……えっと……お前……遥さんと一緒に居たってか俺を撃った奴……?」

レニー:「…お前、異世界人??」

祐真:「って……あ? い、異世界人……そ、そんなようなものなのかなぁ……俺……?」

レニー:「遥とは、何者だ?」

祐真:「え……あ……お前と一緒に居た女の人の名前だよ」

レニー:「彼女はA0001だ」

祐真:「名前……知られてないのか……?」

レニー:「名前?…そんなものは私たちには意味はない」

祐真:「……まるで、識別番号みたいだな」

レニー:「まさしくそのものだ」 と冷たく言う

祐真:「意味無い……かぁ……。あー……そっか……クローンで増えるって言ってたっけ……」

レニー:「…あなたは…何者?…重大機密のようだが…」

祐真:「あ……うーん。何者って言われてもなぁ……」考え込んで

祐真:「柊祐真。年は二十歳。職業は刑事と高校生……こ、これくらいしか言うことが無いなぁ……」

レニー:「…刑事?わたしみたいなエージェントの事か?」

祐真:「あ……? エージェントねぇ……。まぁ、上からの指示を受けて行動するって点は一緒……だろうなぁ……」

祐真:「逆に聞くけどさ、お前は何者さ……?」

レニー:「UGN所属第二処理隊メンバー、E0269だ」

祐真:「UGNの処理班……そいや……クローンを作ってるのはUGNなのか……?」

レニー:「…クローン…あなたの口調から聞くと…良い存在と思えないな。あなたの世界ではクローンはいないのか?」

祐真:「あー……居ない居ない。そこまで技術が進んでないし、道徳ってモンがあるから」

レニー:「…道徳?」

祐真:「えーっと……人が人であるためのもの? 上手く言葉で言えないけど……ええと……」

レニー:「人が人であるため?」

祐真:「えーっと……」

レニー:「馬鹿な事を言う。クローンこそは人類の優れた部分を集めた結晶だ」

祐真:「でもさ、いくら優れてるって面を集めても、やっぱりどこかに綻びなんてもんは生じるし、完全に優れてるって事自体もある意味じゃ欠陥なんだと思う」

祐真:「やーっぱさ、自然に行かないと、どっかで壊れちまうよ。人間だもの……」

レニー:「…理解しがたいな…」

祐真:「あっはっはっ……言ってる俺もよく理解はしてないから……説明下手で悪いわ」 けたけた笑う

レニー:「…道徳…理解できない…規則とは違うのか?」

祐真:「あー……どうなんだろうなぁ……規則ってか……しつけ?」

祐真:「親が子供にするさ。他にも先生や……友達付き合いの中でそれを判っていったり」

祐真:「絶対の規則なんて、息が詰まるだけだし……自由ってもんが無い。それじゃ……生きてけねぇよ、多分」

レニー:「…理解しがたいが…面白い話だ…君の世界は…興味深いな」

レニー:「もっと話聞かせてくれないか? 君の世界のこと」

祐真:「あ……ああ……俺も暇だしな……OK」



レニー:「あっ…その前に、君が知りたいことを教えよう」

祐真:「へ……?」

レニー:「君が言う遥…彼女はUGN幹部。認識番号A0001。Aという意味は、初代複製体の事さ」

レニー:「そして、彼女は…UGNの中でもかなり上位的な存在」

祐真:「最初の複製体で……UGNのお偉いさん? けど……のぶが古代種になって生き長らえてるって……まぁ、追々考えて行くか……」

祐真:「ええと…ありがとな (声を明るくして) そんじゃ……俺の世界のことでも話しますか」



  5−1.猫でもシリアス  

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