夕暮れに染まる陸の上。そこでレニーとリュウ、2人の元UGNエージェントは立っていた
レニー:「E0309…UGN随一の戦士のあなたが…なんでここに?」と無感情に聞く
リュウ:「…………それは、そのままそちらに返した方がよさそうだな。一体何があった? E0206」
レニー:「…気付いたんだ…感情を持つまま生きるのも…悪くないと」
レニー:「…わたし…失敗作みたいだ…」自嘲な口調で
レニー:「…感情制御措置を外されただけで…ここもなるとはな」
リュウ:「感情……本来の排除対象と戯れて、お前は笑っていたな…。“楽しかった”のか?」
レニー:「…楽しかったね…今までの生活より…ずっと」
リュウ:「なるほどな、だがどうするつもりだ? 本来、奴らは我々とは敵同士なのだぞ?」
レニー:「…わからない…人形として作られたわたしが、創作者に銃を向ける事は…できるのだろうか…」
レニー:「でも…守りたい…あの子達の笑顔を…」
レニー:「…あなたは?」
リュウ:「……何故それを聞く? 俺にはお前のように護りたいものはない」
レニー:「…じゃあ、何で刃向かう?…あなたは、そうする理由が、ある?」
リュウ:「やらねばならない事が在る。託された想いを貫くための……な」
レニー:「…」無言に頷く
リュウ:「E0206、お前が最初にどのような感情を得たのかを俺は知らない」
リュウ:「だが、俺が最初に抱いた感情とは、“怒り”と“悲しみ”だ。お前のような感情を、俺は描けないだろう」
レニー:「…怒りと…悲しみか…」
レニー:「…後悔してる?…もし、再度、感情制御措置をつけられるなら…それを取る?」
レニー:「わたしは取らない…取るものか!」
リュウ:「昔のように戻るのはいやなのか? なるほど、どうやらお前はもうただの人形ではないようだ。」
レニー:「…はなしを逸らさないで! …わたしはあなたの真意が聞きたいの」
レニー:「…あなたは、、迷っている?」
リュウ:「迷ってなどはいない。元から、この想いは胸の中にある。だが……」
リュウ:「俺は……あまりにも取り返しのない事をしすぎた。過ちは、償わなければならない」
レニー:「…信じて…いいの?」
リュウ:「信じる? 奇妙な事を言うものだな、E0269。俺たちは元から仲間だっただろう。」
レニー:「…それはUGNエージェントとしての言葉?…それとも、一反逆者としての言葉?」
レニー:「…あなたは戻りたければ…まだできる」
リュウ:「お前がどう思っているかは知らないが……後戻りは出来ないんだよ。もし仮にA0001が俺の前に立ったならば…俺は奴を殺すだろう」
レニー:「…わかった…」
レニー:「…1つ、言っておく…わたしは、もうE0269ではない」
レニー:「今からのわたしは、レニーです…おぼえておいて」
リュウ:「…………なるほどな、いい名前だ。覚えておこう」
レニー:背を向けて、去っていく
リュウ:「…見つけなければならないな。このような世界になった理由を、これからの生き方を……それでいいか、ボルゴ?」
5−5.エリートの自己管理能力
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